映画『ブラック・レイン』のロケ地はここ！

大阪の街を舞台にヤクザと戦う日米の刑事の絆を描いたハリウッド映画『ブラック・レイン』。

マイケル・ダグラス、アンディ・ガルシア、高倉健、松田優作ら日米の豪華キャストで話題になりました。

この記事では、映画『ブラック・レイン』のロケ地を17か所紹介し、本作のおすすめ視聴方法・おすすめ旅行予約方法も解説します。

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映画『ブラック・レイン』の紹介

汚職の嫌疑をかけられているニューヨーク市警の刑事ニック（マイケル・ダグラス）は、同僚チャーリー（アンディ・ガルシア）と訪れたニューヨークのレストランで、日本のヤクザ・佐藤（松田優作）が起こした惨殺事件に遭遇します。

佐藤を逮捕したニックとチャーリーは、日本側へ引き渡すため大阪へ向かいますが、空港でヤクザたちに騙され逃げられてしまいます。

言葉も通じず捜査権限もない中、監視役の松本警部補（高倉健）とともに佐藤の行方を追うニックとチャーリー。

2人を標的にした佐藤は新たな行動を起こし……。

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本作のロケ地は当初、東京の新宿・歌舞伎町が予定されていましたが、古い建物が少なく規制も多いことから、大阪に変更されました。

結果として、重苦しいストーリー展開と裏腹のギラギラのネオンが独特な雰囲気を生んだ傑作となりました。

松田優作の遺作としても有名です。

1989年製作／125分／アメリカ
監督：リドリー・スコット
出演：マイケル・ダグラス、アンディ・ガルシア、高倉健、ケイト・キャプショー、松田優作ほか

映画『ブラック・レイン』のロケ地17選

①【フラッシング・メドウズ・コロナ・パーク】タイトルバックで映される地球のオブジェがある公園

タイトルバックで日の丸に巨大な地球のオブジェが重ねられるシーン。

「ユニスフィア」と呼ばれるこのオブジェは、ニューヨーク・クイーンズの「フラッシング・メドウズ・コロナ・パーク」にあります。

1964年の万国博覧会のシンボルとして造られ、会期終了後も残されたものです。

【所在地】Avenue of the Americas, Flushing, NY 11354 アメリカ合衆国

②【クイーンズボロ橋】夕陽をバックにニックがバイクで渡る橋&ニックの家の窓から眺められる橋

タイトルバックに続いてバイクに乗ったニックが渡る橋は、マンハッタンとクイーンズを結ぶ「クイーンズボロ橋」です。

背後にエンパイア・ステート・ビルが見えることから、ニックはクイーンズ側からマンハッタン側へ橋を渡っていることが分かります。

さらに、バイクレースで賭けに勝ったニックが自宅に戻り留守電を聞くシーンにもこの橋は登場します。

子供の養育費捻出に苦労するニックですが、ずいぶん眺めのいいところに住んでいます。

【所在地】61 Ed Koch Queensboro Bridge Path, New York, NY 10044 アメリカ合衆国

③【イースト・リバー・グリーンウェイ】ニックがバイクレースを行うイースト川沿いの道

一般市民とバイクの賭けレースをするとんでもない悪徳警官ニック。

そのコースとなるのが、イースト川に架かるブルックリン橋の下からマンハッタン橋の下までです。

「イースト・リバー・グリーンウェイ」と呼ばれるこの通りは、現在、自転車道と歩道が分離された遊歩道として整備されています。

【所在地】E River Greenway, New York, NY 10038 アメリカ合衆国

④【エニス・ハウス】ニックが拉致される菅井邸

ゴルフ練習場にいる菅井（若山富三郎）に接触を図ったニックですが、部下（安岡力也）に殴られ車で連れ去られてしまいます。

連れて来られたのはロサンゼルスにある「エニス・ハウス」と呼ばれる邸宅。

と言ってもいきなりアメリカに連れて来られたわけではなく、作中この家は日本にある菅井邸という設定です。

フランク・ロイド・ライトという著名な建築家により1924年に建てられた奇抜なデザインの建物で、リドリー・スコット監督の『ブレードランナー』ほか数多くの映画に登場しています。

【所在地】2655 Glendower Ave, Los Angeles, CA 90027 アメリカ合衆国

⑤【ナパ・バレー】親分の会合とバイクチェイスが行われる農園

ヤクザの親分たちの集まりで佐藤と盃を交わそうとする菅井ですが、佐藤は巧妙な裏切りを計画していました。

会合に続いて銃撃戦、バイクチェイス、格闘が行われるクライマックスシーンは、カリフォルニアの「ナパ・バレー」にある農園で行われました。

何でも日本での撮影資金が尽きたためアメリカに戻って撮影したんだとか。

ナパ・バレーはカリフォルニアワインの産地として有名で、広大なぶどう畑が広がっています。

鳥居や瓦屋根の小屋が撮影用に建てられていますが、よく見ると日本の風景ではないことが分かりますね。

【所在地】アメリカ合衆国カリフォルニア州

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⑥【旧KPOキリンプラザ大阪】大阪府警が殺人事件の捜査に入る「クラブみやこ」

伊丹空港で佐藤を逃してしまったニックとチャーリーは、松本を監視役に付けられ、日本での活動が制限されます。

空港で2人を騙したニセ警官の殺害現場である「クラブみやこ」にも松本と同行。

クラブみやこが入るビルとして映されるのが、「KPOキリンプラザ大阪」です。

道頓堀の戎橋のたもと（グリコサインの斜向かい）にあったユニークな外観のビルですが、2008年に解体され、現在は「デカ戎橋ビル」と呼ばれるビルになっています。

ちなみに、クラブみやこの外観はキリンプラザですが、店内はロサンゼルス・ハリウッドにある「パラマウント・ピクチャーズ・スタジオ」で撮影されました。

【所在地】〒542-0084 大阪府大阪市中央区宗右衛門町7-2

⑦【十三栄町商店街】ニックとチャーリーが暴走族に絡まれる通り

クラブみやこからホテルまで歩いて帰るニックとチャーリー。

途中、2人は佐藤の手下と思われる暴走族に取り囲まれます。

この派手なネオン看板が並ぶ商店街は、阪急電鉄・十三（じゅうそう）駅にある「十三栄町商店街」です。

十三は、今では東京にも進出している和食チェーン「がんこ寿司」発祥の地。

多くの店が撮影当時と変わってしまっていますが、がんこ寿司は今も変わらず営業を続けています。

【所在地】〒532-0024 大阪府大阪市淀川区十三本町1丁目

⑧【大阪府庁】佐藤のアジトへのガサ入れに出発する大阪府警庁舎

佐藤を捕まえることに躍起になるニック。

佐藤のアジトへガサ入れに向かう大阪府警の車両に無許可で乗り込みます。

車両が出発する大阪府警の建物には、実際の大阪府警庁舎ではなく「大阪府庁」が使われました。

車両を追うショットで大阪城が映ることからも、その位置が分かります。

車両が出発する建物は取り壊され、現在は駐車場になっています。

【所在地】〒540-8570 大阪府大阪市中央区大手前2丁目

⑨【京橋グランシャトービル前】佐藤のアジトがある商店街

佐藤のアジトへ向かう警察車両が次々と入っていく商店街。

「○○ャトー」と書かれた看板と高架を走るオレンジの電車（大阪環状線）が見えます。

ここは京橋駅前にある「京橋グランシャトービル」の前。

現在はパチンコ、カラオケ、サウナなどが入る総合レジャービルですが、かつてはキャバレーや雀荘があるより雑多なビルでした。

1971年の開店から長らく放映されたテレビCMでも有名になったビルです。

【所在地】〒534-0024 大阪府大阪市都島区東野田町3丁目9-3

⑩【京一会館】佐藤のアジトがあるパチンコ店

佐藤のアジトがあるとして大阪府警が踏み込むパチンコ店は、グランシャトーではなく、ほど近くにある「京一会館」。

このパチンコ店は2016年ごろに閉店し、現在はファミリーマートになっていますが、建物は撮影当時のもののようです。

【所在地】〒534-0024 大阪府大阪市都島区東野田町3丁目4-20

⑪【あべの筋】ニックが偽札を燃やすおでん屋のある通り

佐藤のアジトからドル紙幣をくすねたニックは、立ち食いのおでん屋でそれに火をつけ偽札であることを見抜きます。

このシーンは「あべの筋」の阪堺電車・阿倍野駅付近で撮影されました。

今では日本で2番目に高いビル「あべのハルカス」が近くに建ち、歩道が拡幅されてきれいな通りになっていますが、撮影当時はもっと雑然とした商店街だったことが分かります。

阪堺電車（路面電車）が走る様子は当時と変わらないですね。

【所在地】大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋

⑫【旧阪急百貨店うめだ本店】チャーリーがコートを奪われるコンコース

クラブみやこのステージで一緒に歌い松本との仲を深めたチャーリーと、ホステスのジョイス（ケイト・キャプショー）から情報収集をしたニックが歩いて帰るシーン。

チャーリーが佐藤の手下・吉本（國村隼）に狙われ、パスポートの入ったコートを奪われてしまいます。

ステンドグラスで飾られたこの美しいコンコースは、「阪急百貨店うめだ本店」にありました。

1929年に開業した旧阪急百貨店は2005年以降順次建て替えられ、このコンコースもなくなってしまいました。

現在も広いコンコースがありますが、撮影当時とは別物です。

【所在地】〒530-8350 大阪府大阪市北区角田町8-7

⑬【旧心斎橋】チャーリーを失ったニックが雨のなか途方に暮れる橋

奪われたコートを追いかけたチャーリーは、佐藤の手によりニックの目の前で惨殺されてしまいます。

盟友の死を防げなかったニックが雨のなか呆然と立つ橋は、かつて歩道橋としてあった「心斎橋」です。

今では繁華街の名前としての印象が心斎橋ですが、長堀川（のちに埋め立てられて長堀通）に架かる歩道橋として江戸時代から存在しました。

長堀鶴見緑地線の工事のために撤去されましたが、工事後の歩道に1909年に架け替えられた石造橋のガス灯や欄干、親柱が一部残されています。

【所在地】〒542-0085 大阪府大阪市中央区心斎橋筋1丁目1

⑭【大阪市中央卸売市場】ニックと松本がホステスを尾行する市場

佐藤のアジトに落ちているスパンコールを発見したニックは、クラブみやこのホステスの1人（小野みゆき）に目を付けます。

クラブみやこからからホステスを尾行すると、彼女は魚市場を通って向かいのビルへ。

この活気あふれる市場は、大阪市福島区にある「大阪市中央卸売市場」です。

水産物のほか青果、加工食料品も扱う現役の卸売市場で、中には飲食店も入っています。

【所在地】〒553-0005 大阪府大阪市福島区野田1丁目1-86

⑮【神戸元町一番街商店街交差点】銀行から出てきたホステスが佐藤の手下と入れ替わる交差点

中央卸売市場の向かいのビルで一夜を過ごしたホステスは、翌朝、大きな紙袋を持って繁華街へ。

人がごった返す交差点を渡って「元町一番街商店街」にある「協和銀行」に入ると、貸金庫から偽ドル紙幣を取り出し、変装して出てきます。

タクシーを呼び止めると、降りてきた佐藤の手下・梨田（内田裕也）と入れ替わり、梨田は別のタクシーでどこかへ向かいます。

このシーンが撮られたのは、大阪ではなく、神戸の元町。

商店街入口にあった旧協和銀行は、現在はファッションビルになっているようです。

【所在地】〒650-0022 兵庫県神戸市中央区元町通

⑯【中山製鋼所】菅井と佐藤の密会が行われた転炉工場

梨田の後を追ったニックと松本は、鉄の煮えたぎる転炉工場に辿り着き、菅井と佐藤の密会を目撃します。

この転炉工場は大阪市大正区にある「中山製鋼所」のもの。

当初、新日本製鐵の堺製鉄所で撮影を始めたものの、撮影現場を見た所長が激怒したため中山製鋼所に変更になったという話は、同社ホームページにも掲載されている有名な話です。

撮影当時の転炉工場は解体されてしまいましたが、現在も操業している製鋼所の広大な敷地は、ニックと松本が走り回った映画の製鋼所の雰囲気をよく残しています。

【所在地】〒551-0022 大阪府大阪市大正区船町1丁目1-66

⑰【旧ゴルフシティ】ニックが菅井に接触を図るゴルフ練習場

チャーリーの敵を打ちたいニックは、菅井の協力を得るべく接触を図ります。

ジョイスから聞き出した菅井の居場所は、打ちっぱなしのゴルフ練習場「ゴルフシティ」。

現在この場所は高速道路の建設が進められており、「仁丹」の看板のあるビルもろともなくなっています。

【所在地】〒531-0072 大阪府大阪市北区豊崎6丁目

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まとめ

この記事では、映画『ブラック・レイン』のロケ地を17か所紹介しました。

大阪の名所がいくつも登場する本作。

撮影当時と現在のロケ地を見比べることで、この30数年の間に大阪という街がどう変わっていったかが見えてくるのではないでしょうか。

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